第42回メルマガ発行!!
2022.10.08
***********************************************************
一般社団法人沖縄県里親会
里親会ホームページ会員向けニュース(一般用) 第42号(2022/10/8)
(このメルマガは、HPにて会員登録していただいた「すべての方」にお送りしています)
1.担当者徒然
2.お知らせ
3.質問、ご意見コーナー
4.その他ご案内
***********************************************************
1.担当者徒然(今回は沖縄タイムス10/2付論壇に掲載された崎原の投稿文書を掲載します。)
十月は「里親月間」。今年私たち沖縄県里親会は50周年の節目を迎えた。今回は我が家の経験を紹介したい。
Aちゃんとの出会いは彼女が小学一年生の頃。それは私と妻にとって里親としての第一歩だった。普段児童養護施設で生活していたAちゃんは、年末年始も帰る家がなく、長期休暇時に施設の子を受け入れる「一時里親」に申込みをした我が家に、白羽の矢が立ったのだった。施設とは大きく違う我が家は、すべてが新鮮。家中をバタバタと走り回り喜怒哀楽を表わす彼女に、当時1才にも満たなかった娘も目を丸くしていたのが懐かしい。
それから数年間、春、夏、そして年末年始と我が家にやってくることようになったAちゃんは、施設や児相職員の尽力によって6年生の頃正式に措置変更となり、私たちは晴れて親子となった。それからの思春期は一筋縄ではいかなかったけれど、失敗を繰り返し、まわりの方々に愛してもらいながら彼女は成長し、進学した高等特別支援学校では生徒会長の重責も果たした。実のご両親は障がいのために彼女と一度も一緒に生活することはできなかったけれど、折に触れ面会があり、その愛もしっかり積み上げられた。やがて成人したAちゃんは、何度か延長してもらった措置も終了し、社会的には私たち夫婦と親子ではなくなったけれど、彼女は我が家で生活する道を選んでくれた。
そんな折、病院から一本の電話を受けた。実母が重体になっているとの連絡だった。その日ベッドに横たわる実母に意識が戻ることはなかったけれど、彼女はその側で母の手を握り、時を過ごした。それは生まれて初めての母子でのゆっくり過ごす時間だった。病院職員から聞く両親のこれまでの様子や、娘の写真を自慢していたことなど、病室は時に笑いに包まれ、その声はお母さんの耳にも届けられた。
2日後、天に帰ったお母さんの死亡宣告に立ち会いサインをしたのは、動揺して病室に入れない実父に代わり、成人したばかりのAちゃんだった。そして生活保護による小さな葬儀だったけれど、喪主として葬儀に立ち会った彼女の傍らには実父も参列され、それは紛れもない確かな「家族の姿」だった。
Aちゃんにとって実のご両親も、そして我が家も、大切な家族。それを実現できる「里親制度」が、これからも大いに活用されることを願っている。
2.お知らせ
a,「第39回沖縄県児童養護研究大会(オンライン開催)」のご案内
これは毎年、養護施設、里親、関係機関職員の資質向上のために開催されている研究大会です。
主催:沖縄県社会福祉協議会 沖縄県児童養護協議会
参加対象:児童養護施設、乳児院、児童自立支援施設、児童心理治療施設、
自立援助ホーム、母子生活支援施設、県母子寡婦福祉連合会、県里親会、
児童相談所、保育所、福祉事務所等児童福祉関係者、市町村社会福祉協議会、
民生委員・児童委員、学校関係者、学生 他
(1)行政説明・記念講演(オンデマンド配信)
令和4年11月7日(月)~12月2日(金)会場:沖縄県総合福祉センターゆいホール 他3会場
(2)研究部会(Zoom/ライブ配信) ※後日配信はありません。
第1研究部会 令和4年11月28日(月)10時~12時
第2研究部会 令和4年11月9日(水)10時~12時
第3研究部会 令和4年11月16日(水)10時~12時
定員:200名
参加費:1人 2,500円 ※学生については1人 500円
申込方法:事前の「参加申込書」の記入と口座への振り込みが必要です。参加希望される方は、「里親会事務局」または「沖縄県社会福祉協議会施設団体部098-887-2000」までお問い合わせください。[申込み締め切り10/21(金)午後5時]
3.質問、ご意見コーナー
Q,沖縄県里親会「現状調査アンケート2022」から(3)
A.今年も過ぎた3月に、「沖縄県里親会」会員に向けて「現状意向調査アンケート2022」を行いました。その回答結果から、今の沖縄の「里親の現状」についてお伝えしていきたいと思います。
今回ご紹介するのは、「受託希望」欄の「自由記述」から、特に「一時保護」についての意見を抜粋してご紹介します(内容は多少修正を加えています)。
問,受託についての希望や考えについて、自由にご記入ください。
・長期の委託であれば乳幼児を希望しますが、週末や季節などは年令も性別も関係なく受け入れ可能です。子供達が安心して暮らせるように、いつでも預かれる準備をしておりますので、連絡お待ちしています。(※家族全員で話し合っておりますので、娘たちも同意見でした。)
・今回は長期出張予定が有りますが、戻ってきて状況が良くなればお願いしたいと思います。
・ずっと子供を待ち望んでいるので、コロナの影響かもしれないけれど、何もできていない今がとてもツラいです。
・すべてに前向きですので、よろしくお願いします。(※今の週末をしている子供は親が長期で関わりが薄いので、措置委託した方が本人たちのためと、とても考えております)。
・できれば小学生の男の子1人と乳児の女の子1人希望です。協力してくれる身内が多いのでいままで通り一時保護もいつでも可能です。
・長期で預かる措置委託を希望していましたが、子供たちの勤務地移動があり、実家に戻ってくることになり、里子用の部屋が用意できなくなり、一時保護なら可能かと考えています。一時保護の場合も部屋が必要でしょうか?
・現在○才の女の子を受託中なのですが、受託から約3年となり、里親として気持ちに少し余裕を持てるようになってきたので、月に1~2回位週末里親をしたいと考えております。娘達が小さい子の面倒を見るのが好きな様子ですので年下の女の子を希望します。
・夫婦共にいつになったら措置委託のお子様が与えられるのか不安な状況です。タイミングもあると思いますが早く預かれたらなあと思っています。年齢は低ければいいと思っていますが、性別共に上記の年齢であれば可能です。また季節、週末里親も可能です。現在1人ですが、あと1~2人季節、週末のお子様を受託可能です。
・現在、里子から特別養子縁組させていただいた子がいます。夫婦の年齢からも特別養子縁組は難しいかもしれませんが里親として養育が可能ならお預かりしたいと考えています。
・特別養子縁組が完了した後、預かる余裕が出てくると思います。保育園に入園するので、母親も仕事をするため、今は受託は難しいです。
・3月から一時保護児童を預かる予定です。その児童が慣れた段階で次の受託を希望します。
・期間や目的、目標があったら助かります。子どもへの対応のヒントになります。
・現在、小学生2人、マッチング中です。今年中の措置になる予定との事ですが、それまでの間の短期(2週間以内くらい)の一時保護は可能だと思います。
・措置委託に関しては、その時の状況によりますが、希望としては短期を希望いたします。措置に関しても、一時保護に関しても、できれば里子(○才)よりも下の子がいいかなぁ...。
・里子として受託中の男子○才。特別養子縁組の女子○才。2人の子よりも年下の子を希望しています。
・兄弟児等、複数人でも可能です。現在の里子が施設からの受け入れなので、長期で親元に帰れない、又は面談等のない子に家庭を提供できればとも思います。
・男女、年齢は希望なしですが、深夜徘徊などの非行問題がある子は受け入れ不可です。知的障害、発達障害があっても受け入れ可能です。
・現在は難しいと家族で決めました。1年後に同じアンケートをして欲しいです。よろしくお願いします。
いかがでしょうか?
里親さんの素直なご意見が述べられていますね。一方で、受託のお話しがなかなか来ないという悩みもいくつかあります。沖縄県内においては現在里親の登録は順調に増えており、全国に比べると里親の未受託待機期間が長くなっている傾向があります。もちろん里親制度は子どもの福祉のための制度ですので必要な子が出るまで待つことも里親に求められますが、一方国が制度や運用を見直し、必要としている子どもたちが速やかに里親家庭に行くことができるようにも願いたいものです。
それでは、今後も「アンケートの結果」をもとに、一緒に県内の里親制度の現状を考えていきたいと思います。どうぞお楽しみに(^^)//
4.その他ご案内
沖縄県里親会と浦添市との共催で開催された、「映画『育ててくれて、ありがとう。』無料上映会&トークセッション」を無事に終えることができました。今月は里親月間に合わせて北谷町役場1階町民ギャラリーにて「里親制度啓発パネル展(10/11~21)」も行われます。そして沖縄県里親会の機関紙「さとおや会だより」も、今月の完成&配布を目指して、現在作成中です。みなさまには続けて「沖縄県里親会賛助会員」等、お支えとご協力をよろしくお願いいたします。
それでは、次回メルマガ発行は11/12頃を予定しています。続けてどうぞよろしくお願いします。
***********************************************************
発行:文書委員会
崎原盛親 kibou@nirai.ne.jp
仲根藤江 fujie@ict.okinawa
玉城優子 ikeyun39@ezweb.ne.jp
沖縄県里親会事務局:098-882-5709(嘉陽)
***********************************************************